Derek Paxton Intervew@Gaming Nexus(超長文)


 先日Gaming NexusがFallen Enchantressについて、Stardock社のKaelことDerek Paxtonにインタビューを行いました。相変わらずのクソ翻訳で時間もかかり内容もいつもどおり怪しいんですが、これまでの拙Blogの記事になかった内容が多く含まれていますので、E:FEに興味のある方には、非常に興味深い内容のインタビューだと思いました。
Elemental Fallen Enchantress Interview @ Gaming Nexus より


 我々は、昨年Derek Paxtonが、Stardock社に入社した際に話をした。我々は、彼が新しい仕事でどんなことをするのか、そして彼の手によるゲームについての情報を得るためフォーローアップを行うことにした。



 自己紹介及び、Stardock社での役割を話していただけますか?


 Derek Paxtonです、Fallen Enchantressでのリードプロデューサー兼リードデザイナーです。職業は、ビジネスソフト会社でプロジェクトマネージャをやっていました、そして余暇の時間で、Fall from Heavenという濃いファンタジィMODをCivilizationIVで作りました。私が次の事業を探しているとき、Stardockにコンタクトをとったところ、私の経歴と愛情を集約できるストラテジィゲームの仕事を、オファーしてくれました。2011年11月にStardockに入り、すぐにFallen Enchantressをスタートさせました。


Stardockで働き始めた時はどうでしたか?着任以降どんな変更を行いましたか? 


 一番大きな変更は、開発まわりのプロセスを形式化したことですね。以前のStardockのゲーム開発チームは小規模でしたが、Stardock全体のビジネスの一部としては成功していました。ただ、ビジネス部門のマネジメントは優秀でしたが、ゲーム部門では不明瞭なところが多くありました。今は、みんな最終目標を理解し、目標のブレはありません。スケジュールと、パズルのどの部分の責任を担っているのかを理解しています。


 私はStardockで働くことが好きです。優秀で才能のある人々がここにはいます、そして、我々がプレイしたいゲームを作ることができるんです。我々は四半期の利益目標達成のために、特別なタイムフレームにしなくても構わないんです。我々は、すべての人にアピールするようなゲームを作らなくてもいいんです。


 Stardockのゲーム制作方法を変えましたか? アジャイル開発手法(スクラム)を使いましたか?


 あらゆるソフトウェア開発手法に、奇跡のようなものがあるとは考えていません、特に我々のチームサイズ(大体12人程度)では。管理手法はプロジェクトによって決まります、我々は向上のためにあらゆる方法論を流用します(あるいは、自分自身で作る)。


 我々は、毎日朝10分のミーティングをします。繰り返します、10分です。私は始めチームとの接点を切り離していて、かなり失礼でした。しかし今は、会ってその日の計画を検討し、各自作業に入ります。そう、これはアジャイル手法から引用したものです。でも、全体の説明としては、ウォーターフォール手法と言えるでしょう。我々は固定のフェイズを設定していて、あるフェイズで承認されても(例えばシステム変更のアイデアを提案して)、もうひとつのフェイズで却下されることを、みな理解してます。


 Stardockは最近、Impulseデジタル流通システムを売却しましたが、それは何か少しでも形式的にリソースの追加や集中などとして、開発チームに影響をもたらしましたか?


 今は何も。ゲーム開発チームは、時々Impulseチームに開発者を助っ人に出すのを除けば、独立していました。売却の大きな影響はまだ来ていませんが、Stardockがゲーム開発チームにさらに集中するので、興奮しています。我々はゲーム開発チームを発展させ、そして予算を得てすごいゲームを作れるようになります。


 最近のゲームのローンチで苦しんだ問題について、通常のローンチよりも高い期待を達成できると思いますか? 最近のゲームのローンチの経験で火傷した人たちはどうですか?


 最も期待してるのはBradですね。GDCでは、メタスコ82がFallen Enchantressの目標でした。その数字は毎日1つずつ上がっていきました。最近Bradがスコアについて話していたのは、だいたい90台でした。


 War of Magicによって火傷した人たちのために、Stardockは(2010年の年内に買った人のは)Fallen Enchantressを、そして2010年10月末までに買った人には、2つの拡張を無償で配布すると約束しました。Stardockはまた、ゲームリリース後、何ヶ月もゲーム開発チーム全員を維持しました。このファンへの申し分のない約束が、私のStardock入社を納得させました。


 War of Magicの作業は完了していますか、それとも開発リソースを使っていますか?


 私が書いてることですが、我々はWar of Magicの1.2パッチの準備をしています、そして、1.3パッチを計画しています。StardockはWar of Magicのサポートと改善を今なお約束しています。


 Fallen Enchantressのプロットの大まかな概要を教えてもらえますか? ゲーム内のどこかにいる魔女を救う、そう思って間違いないですか?


 ほとんどのターンベースストラテジィ同様、ゲームの中身はランダムワールドゲームです、だからプロットはプレイヤーとゲームのユニークな状況によります。しかし、ゲームにはキャンペーンも含まれます。Stardockは、プロットとイベントを書く手助けのために、プロの作家Dave Sternを雇いました、そして、Jon Shaferが担当して面白いかどうか確認しています。


 私はプレイヤーがランダムゲームで、新しい方法と強調された派閥とキャラクターでElementalの世界を探索するのを、側から黙って見るだけにして、プロットをスポイルするようなことはしたくありません。


 アドオンではなく、何故スタンドアロンでゲームを作る決定をしたのですか? マーケティング的な決定、それとも技術的な決定、あるいは両方ですか?


 アドオン型の拡張は、パッケージ版のビジネスモデルです。前のゲームを購入しているプレイヤーは拡張を割引で買うことができます。(それが本来の拡張の価格だから)反面、前のゲームを持っていないプレイヤーは両方買う必要があります。それを整備するには、いくつかの技術的な輪をくぐり抜ける必要があります。


 デジタル配布の世界では、そのプロセスはより簡単です。我々は前のゲーム購入の記録を持っているので、単に拡張の価格を割引することができます。我々は、プレイするために他の物の上にインストールしたり、ミックスコードベースやプレイヤーが2つの製品をインストール擦る必要がありません。


 今後の製品展望から、Fallen Enchantressは、War of Magicとは基本的に異なるゲームのように、多くのシステムが変わっています。拡張を作るためにいくつかの長所とメカニックを加えた程度では、ここでは動かないでしょう。


 ゲームの戦闘システムの変更について話していただけますか? なぜ、変更することを決めたのですか? また何か他の選択肢を考えていましたか?


 我々は、タクティカルコンバットを全面的に廃止することを考えていました。デザインにおいて聖域は存在しませんから、基本的にゲームを良くしないものなら廃止します。


 しかし、最終的にタクティカルコンバットはElementalの重要な部分である、と結論づけました。Fallen Enchantressでは、重点となるものが3つあります、そしてタクティカルコンバットはその中の一つです。(あとの2つは世界観と魔法の向上です)


 システムレベルでは、(チーム全体の同時行動の代わりに)ユニットベースのイニシアティブシステムに切り替えました。これによりプレイヤーはより細かく、より集中した決断が必要になります。また、移動とコンバットスピードを分離しました。旧システムでは、6コンバットスピードのユニットは6マス移動か、6回攻撃か、移動と攻撃両方ができました。これによりコンバットスピードは神のごときステータスになり、ユニットに複数回分のダメージを与えることができました。現在、高移動力のユニットは殺人マシンにはなりません(実際はゆっくりした殺人マシンになります)


 しかし、それらはほんのサポートシステムに過ぎません。ゲームが活気づくのは、実装されたあなたのユニットやモンスターが戦うところです。より特別なアビリティが用意されています。たとえば、Maulアビリティは攻撃の正確度が-3されますが、ミスするまで敵を連続攻撃することができます。これはBears, Cave Bears, Garrote'sに与えられるアビリティです。それは、またBerserker's Axeのような魔法のアイテムとして与えられます。高い攻撃正確度とわずかな運のユニットが、ドッジの低いユニットに対して、このアイテムを使うと特に強力なアビリティになります。


 Stalkerは、戦闘の最初のラウンドで移動力+3され、攻撃するChargeアビリティを持っています。スペルキャスターは、Mantle of Flames(#炎のマントという魔法アイテム?)をキャストし任意の敵に炎のダメージを与えられます。ユニットは、タクティカルコンバットに召喚されることがあります。The Touch of Entropy の呪文はダメージを与え、キャスターの支配下に置くDemonを呼び出し、敵を殺します。十分な時間があれば、敵のRitualistsは、強力なDeath Demonsをバトルに召喚できます。Dragonは強すぎます、守備側のタイルにユニットの人数分のダメージを与え、敵軍すべてを消し去ります(#基本ダメージ×タイル内のユニットの人数)。Morian, the Ruin of Summerのようなユニークなマルチタイルユニット(#デカキャラ)の敵に打ち勝つには、ハイレベルユニットの軍か、チャンピオンが必要でしょう。


 ゲームの魔法システムはどのように変えるのですか? 新しい呪文が見れると期待していいですか?


 Fallen Enchantressでは、魔法に3つの重点があります。上記でいくつか呪文のサンプルを挙げました。君主のEssenceを犠牲にしてチャンピオンを強化する呪文や、チャンピオンを犠牲にして君主をより強力にする呪文を用意しています。世界を変える呪文、世界を破壊するのに十分なマナをプレイヤーが蓄える呪文など、あらゆる種類の面白い方向になっています。


 大量のマナを蓄えたプレイヤーを見ることは、敵の核兵器の貯蔵庫を見るような感じでしょう。とても望ましいものとは言えません。


 開発チームは遅い段階に、「大砲」を持ち込んでいるようですね、例えばJon Shafer や David Stern など。彼らの経験はプロジェクトに、どんな利益をもたらしていると感じますか?


 私はそれを遅い段階とはみなしていません。JonとDaveは、Fallen Enchantress のデザイン上に、非常に大きな影響を持ちました。Dave Sternはプロのファンタジィ作家で、前からElemental世界の仕事をしていてました(ゲームのコレクターズ・エディション添付のLorebook、Hiergamenonは彼が書いたものです)。それで、彼は変遷を非常によく知っていました。Fallen Enchantress では、新しい領域や、本当の世界自体を調べ、いくつかの巨大でユニークなクリーチャーを、その中に入れたかったのです。彼は、ゲームアイデアと伝承をマージすることを手助けし、外交の会話から、モンスターの変遷、派閥やリーダーの説明までを詳細に創ってくれました。


 Jon Shaferは、世界クラスのゲームデザイナーです、彼が我々のプロジェクトにいることは、とてもラッキーなことです。彼はゲームのすべてのデザイン面を読み、フィードバックの提案をしてくれました、複雑なシステムを分析しシンプルなメカニックにするエレガントな方法を見つけて助けてくれました。深いデザインの中にいると、森全体を見ることは木を見るより難しいことです。Jonの変更提案は、それが見えていなかった自分自身を蹴り飛ばしたくなるような基礎的なもので、彼はそういう人です。


 近年ソーシャルゲーミングは大きくなってきました、Elemental の FacebookやWebベースのゲームについての可能性は何かありますか?


 プラットフォームは、我々が作りたいとゲームのタイプほど重要ではありません。それが我々が作りたい、または語りたい物語のゲームにとって優れた媒体であるなら、何でも可能性はあると思います。


 来年は多くのストラテジィゲームが出てくるようです、Fallen Enchantress の競争力はどの程度あると考えていますか?


 我々は、ハードコアゲーマーにアピールしています。1年にゲームを1本買うようなタイプのプレイヤーではありません。我々は特にPCで、もっともっとすごいストラテジーゲームが欲しいのです。それが例え我々のゲームでなくても、より多くの人達にストラテジィゲームについて考えてもらいたいのです。それは、どれくらいのストラテジーゲーマーが、我々のゲームで遊んでいるかということではなく、どれくらいのゲーマーがストラテジーゲームを遊んでいるかということです。


 そしてまた、我々は誰が作ったゲームであれ、ストラテジーゲームをプレイするのが本当に好きなんです。


 あと、何か聞き逃した重要なことはありますか?


 ゲームメカニックについて話すことは楽しいです。しかし、アートチームの行った仕事でゲームがすごくよくなったことについては、本当に感動しています。UIは一から作り直しました、モンスターは素晴らしく(前からのモンスターも外観を直しました)で、絵は美しいです。私の仕事で最高のパーツのうちの1つはファンタジー世界を想像できるようになることです、そして、Stardockの驚くべきアーティストは、それに命を吹き込みます。


 いつかGalCiv3を見ることができるのかについて、インタービューさせてもらうことはできますか? 少なくともそれがStardockの開発の視野に入ってるか、確認することはできますか?


 現在のところ、我々は Fallen Enchantress だけに全力投球しているところなんです。


 我々の質問に答えてくれたDerekに、同様にインタビューをコーディネイトしてくれたStephanieに感謝したい。

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#チラ裏感想

 まず、KaelことDerek Paxtonの加入時、FfHの制作者という肩書きが多用されていたが、私がStardockで心配だったのは、有能なプロジェクトマネージャが、ゲーム部門にいないという点だった。FrogboyことCEOのBrad Wardellは、アイデアや創造力に優れた人物で、プロジェクトマネジメントもできるが、Stardockはゲーム部門だけではなく全体の中では弱小の一部門でしかない。FrogboyはCEO業務と兼務でゲームを作り、フォーラムにジャーナルを書き、ユーザーとのコミュニケーションを取るというハードワークをこなしていた。なので、Kael加入の報の際、私が注目したのはビジネスソフトでプロジェクトマネージメントの経験があり、かつFfHを作るような人をStardockが獲得したことへの期待だった。


 インタビューでも、開発プロセスについての話しが出ているが、今後ゲーム部門の開発プロセスが改善されていけば、ローンチやUpdateが安定していくことが期待できる。また、歳若いが非凡な才能の持ち主Jon Shaferも、ゲーム部門の柱の一本として十分期待がもてる。これにImpulse売却資金や人材などのリソースが増えるということで、まぁインタビューということで、いい話しかしないので、現実はすべてが順風満帆というわけでもないだろうがStardock信者としては明るい材料が多く結構なことだ。


 とはいえ今後の課題は山積状態と言える。Impulse::Reactorはもっと磨かれないといけない、コミュニティ機能はまだまだ洗練には程遠く、マッチメイキングは実績がないに等しいので無いのも同然だ。今後の開発予定の未定部分の選定に、Demigodの後継作が挙がっているということについて、Nice Jokeと思った人も多いだろうが、マッチメイキング機能を改善させるの材料に、なんらかのRTSゲーム開発が今後計画される可能性は非常に高いと思っている。(=Demigod2の実現が高いという意味ではない)ゲーム周り環境の大切さは身にしみているが、これは経験がものを言うみたいで、現状では Battle.net2.0が抜きん出てしまったため、ほかはどれもいまいちな印象になってしまった。Steamもまだマッチメイクについては、まだまだのようらしい。IGN、GameSpy、D2D + Comradeはログイン以外連携が取れてる雰囲気がまるでないし、MSのGFWLは悪印象を垂れ流し続けているだけ、GGはGameRangerやXpertplayと連携したりして、個人的にはなんか斜め上的な印象、やはりSteamががんがん改良して早期に環境を整えてしまうんじゃないかと思ってしまう。


 最後にImpusleを売却したor買収され、今後、インタビューのように開発がブーストすると思うわけだが、IronCladに続く新たなお抱えデヴェロッパを探すか(今でもずっと探してるみたいだが)、買収するか何らかのアクションを起こすのではないかと予想している。Stardockのゲームは基本ニッチ層向けなので、キラーコンテンツというイメージは薄い、今後はこれまでの路線の継続に+αとして、新しいジャンルや新しいターゲット向けのゲームを作る可能性があるからだ。今後の開発予定にElemetanl世界を背景としたRPGが明記されているが、それだけではないような気がする。


 翻訳疲れたけど、E:FEますます楽しみになってきたよ!