Interview with Derek Paxton and Jon Shafer of Fallen Enchantress @ GameZone (長文)


 先日のGame Nexusのインタビューに引き続き、今回はGame Zoneからのインタビュー、しかもkaelとJonの2人にです。
Interview with Derek Paxton and Jon Shafer of Fallen Enchantress @ GameZone 原文


 Elemental: War of Magicが出たとき、多くのレビュアーはゲームが多くの将来性を持っていると感じました。いくつかのユニークな機能を持った4xTBSとしてリリースされましたが、バグと野心的な目標の問題に阻害され、全体の品質を阻害しました。Stardockチームは、オリジナルの誤りに十分に気づいて、面白い続編と拡張を融合させたElemental:Fallen Enchantressで戻ってきました。このゲームは前作でできなかったことを達成しようとしています。我々はリードデザイナー兼リードプロデューサーのDerek Paxton氏だけでなく、Civ Vを卒業しデヴェロッパーStardockのデザイナーであるJon Shafer氏から、この真新しいタイトルについてのインプレッションを伝えてもらいました。



 GamesZone: 最初に各々のゲームとの関係を教えてください。


 Derek Paxton: 私はFallen Enchantressのリードプロデューサー兼リードデザイナーです。2010年11月にStardockに来る前は、ビジネスソフト会社のプロジェクト・マネージャーで、Civ IVのダークファンタジーMOD(Fall from Heaven)の作者でした。


 Jon Shafer: 私はFallen Enchantressでデザイナーをやっています。メインの仕事はデザインの問題についてDerekを手伝うこと、UI改善のフィードバックを提供すること、キャンペーンを作ることです。


 GZ:Fallen Enchantressに飛び乗ったプレイヤーが期待できるものについて説明して下さい。


 DP: 4xゲームとRPGが、組み合わさったゲームを期待できるでしょう。多くの4xゲームはRPGのしきたり(ユニットが経験値を持つなど)を採用しています、しかしFallen Enchantress では、それらのRPG面は従来の4xストラテジィよりもより効果的です。軍を編成する代わりに、チャンピオンに投資しレベルアップのためクエストに向かわせることもできます。プレイヤーは自分の帝国に、モンスターを倒し、街を奪い、敵の軍と戦うための強力な冒険家を雇うことが想像できるでしょう。民は鍛冶場で精を出して働き、自身の軍用の防具や武器を作ります。彼の意思を通じて魔法や強力な呪文が行使される、一人の強力な魔法使いの周りを基礎として帝国を作ることができます。野生のクリーチャーの世界で外交の道と文明化にひたすら努力し、クリーチャーを飼いならし使役することができます。または、これらをミックスすることもできます。


 JS: 我々は全面的により磨かれたものを、提供できると思っています。グラフィックスは素晴らしいチューンアップを受け、インターフェースは完全に調整されました。これは改善の一部ですが、プレイして一番最初に気がついてもらえる点です。


 GZ:多くのプレイヤーは、このゲームをWar of Magicの単なる拡張と見ているかもしれません。Fallen Enchantressは、どの程度の独自性を持っていますか?


 DP: Fallen Enchantressは、War of Magic同様にElemental世界をベースにしています。しかし、ゲームとしては、各メカニックはレビューを受け、再考されました。War of Magicの機能は20%にも満たず、新しいゲームと言えます。スタンドアローン型としての良い面としては、我々は新たに基盤調査を行い、機能していない部分を削除したり、パーツを完全に置き換えたりできました。


 Fallen Enchantressには、我々が本当に多くの注意力とデザイン時間をつぎ込みたかった3つの焦点があります。


1. タクティカルコンバット
 ユニットと敵は戦略的アビリティ、強み、弱みをよりはっきりさせました。各モンスターは戦略的(かつコンセプト的)にできるだけ面白いものになるよう、レビューされました。Elementalに君臨する巨大なマルチタイルモンスターは、かなり強力なチャンピオンや軍以外は一蹴してしまうでしょう。この世界のモンスターたちはユニークで、RPGでいうところのボスバトルも用意されています。


2. Elemental世界
 世界を面白いものにするために、多くの時間を費やしました。この世界はとても危険です、序盤は多くの探索者が戻ってこれないでしょう。しかし、リスクに見合った価値、資源、富、新たな雇用があります。


 探索することが楽しく、価値のある世界を作ることは重要なことです。向こうの谷に鉄鉱床があるのを知ることは良いことですが、我々はその谷が、原生地帯、遺跡、クリーチャー、経験豊かなプレイヤーにとってさえ新しい冒険の機会で満たされていて欲しいのです。


3. 魔法
 魔法は軍を作るのと同様に、勝利するために効果的なものでなくてはなりません。多くのマナの供給があり、魔法の研究を進めた位置づけのプレイヤーは、現代のゲームで核兵器備蓄している一のプレイヤー同様に、ゲームの流れを変えることができます。魔法は早期から使用することができ、大きなインパクトを持ち、そしてより面白いことが行えます。


 JS:Fallen Enchantressでは、それ以外のすべてのものでも焦点となっています。ファンタジー・ボックスの中いっぱいに詰め込まれた機能の集まりではなく、ゲームの全てはDerekとデザインチームによって考え抜かれ、あるべき場所に収まっています。彼は、シリーズの時間進捗、コストなどのとても詳細なスプレッドシートまで作っています−すべては我々が求めているゲームが、確実にプレイできるようにするための方法です。


 GZ:野心的なゲームと思われているWar of Magicですが、技術的な問題に関して批判がありました。Fallen Enchantressでは、これらの問題に対して、どのように対処されていますか?


 DP:War of MagicはStardock製のエンジンと同時に開発されました。ゲームエンジン製造という技術的な挑戦と、野心的なゲーム製造を同時に行うことは、非常に困難なことです。Fallen Enchantressは、プロジェクト開始の準備段階で、ゲームエンジンが利用出来るというアドバンテージがあります。我々はFallen Enchanrtressのためにエンジンに機能追加を行っています。それはWar of Magicには出来ないことを、Fallen Enchantressで可能にしますが、それは理論上のマルチプレイヤーシステムや理論上の照明システムではありません。我々が作ったのでシステムを熟知しています。


 とはいえ、我々自身によるゲームエンジンの開発は巨大なプロジェクトであり、確かにWar of Magicを作るより10倍は難しかったが、コントロールできる内部エンジンを今、持っているということは、アドバンテージになっています。そして、我々の要求もサポートし、速度も市販エンジンに劣らないので、デザインを調整する必要がありません。ゲームに必要な機能は、このエンジンで作ることができるのです。


 JS:War of Magicがリリースされてから、多くの改善がゲームとコアエンジンに施されました。そう今でさえWar of Magicは、リリース時に接した誰もが、大きく変わったと感じるでしょう。それらの改善が、Fallen Enchantressに引き継がれています、そして更なる作業はゲームパフォーマンスと安定性向上のための改善です。


 GZ:Jon、貴方はCivilizationの経験を持っています、それをElementalシリーズでどう活かすかつもりですか?


 JS:ゲームが明らかに違うとはいえ、4Xゲームの基本的な問題の多くはかなり類似しています。プレーヤーの帝国は、技術が他国と比較してどれくらい速く進歩しているか?ユニットはどこまで動かせるか?相対的な視界の差はどれくらいあるか?どんな種類のインターフェイスでプレイヤーの注意を掴むか?数年の間、ターンベースストラテジーゲームの仕事に取り組むことで、それらの類の多くの問題に対しての、センスを身につけてきました。Derekはプロジェクトを確実に進めています、しかし、私は躊躇せずたくさん私の意見を彼に伝えています。


 GZ:一部のプレーヤーは、オリジナルゲームの複雑さに圧倒されました。そういったプレイヤーをうまくガイドする、何らかのアシストはありますか?


 DP:全てのUIは作り直しました。「[アクション]が必要です」、と言われるようなゲームメカニックの多くは変更されました、しかし、それはプレーヤーが、本当に必要なのか、すべての情報を見る必要があるか検討する機会を与えてくれます。重要な情報は前面に残り、より詳細な情報はすっきりとシンプルなインターフェイスにし、ゲームに不要な情報は削除しました。一般的には、War of Magicは複雑だったと思います、マイナーなものや無関係なデータが、重要なデータと同じレベルで現れていて、システムのまとまりのない部分がとても多かったので、新しいプレイヤーは、何に注意して遊んでいけばいいのか分かりづらかったでしょう。新しいUIでは、情報を適切な優先度レベルで利用できるようにしています。


 JS:インターフェイスは、ゲーム開発の中で私にとってもっとも興味のある部分です。我々のここでの改善は、本当に新しいプレイヤーのためのものです。大きな変更はマウスオーバーで新しいアイテムにもさらに全面的に細かくすることから、「数字は横書きか縦書きか」などすべてはより直感的にm,見易くするため考え直されました。これは新しいプレイヤー、ベテランプレイヤーどちらの手助けにもなります。加えるなら、Derekの考え通り、ゲームに必要なものだけ、というのも忘れていません。War of Magicは数多くの機能を持っていて、クールなんだけど、実際のところあまりうまくいってたわけではなかった。ゲームの中が多くのもので「ごったがえし」ていると、本当に重要なコンセプトがいっそう理解しにくくなります。


 GZ:スタンドアローン型拡張/続編として、新しいプランとゲームプレー要素がありますよね。ゲームプレイの新機能についての説明をしていただけますか?


 DP:お気入りの一つは、チャンピオンがレベルアップしたときのTrait(特性)システムです。軍はレベルが上がるとHP、命中率、魔法耐性が増えます、同様にチャンピオンは、毎回ランダムTraitからピックアップすることができます。Traitには、Common、Uncommon、Rareがあります。まれに出現する特別なのを、チャンピオンが引き当てるとすごいです。


 JS:とても大きな変化は、戦闘でのチャンピオンの強化と進歩です。戦闘システムは刷新しました。各ユニットはそれぞれのイニシアティブ値を持ち、その値が高いほど、より多くのターンが回ってきます。War of Magicでは、どちらかのサイドの全てのユニットが一度に動きます、それは戦闘前に良く考えておかないと、後攻側が完全に無力化される可能性がよくありました。6マス移動か、6回の攻撃が可能なハイスピードユニットができてしまうと、対抗することが非常に困難になってしまうのは特に良くなかった。新しいシステムはよりバランスが取れていていい「感触」です。


 進歩に関しては、チャンピオンがレベルアップしたとき、プレイヤーは上昇させるステータスを選ぶのではなく、特定のアビリティを選ぶようになっています。プレイヤーは早い時期から魔法を使えるようにしました、新しいスペルをアンロックする方法も刷新し、とても面白くしました。我々は魔法をゲームの中央真正面に据えたかったんです、ただ、このシステムは一部の人にとっては満足いかないものだとは理解しています。


 GZ:読者に他に言いたいことは何かありますか?


 DP:Fallen Enchantressについての話しをする機会を頂けて感謝しています、そして、今後のアナウンスを楽しみしていてください。


 JS:Stardockのみんなは、Fallen Enchantressがプレイヤーの手に届くのを楽しみしています! ゲームの最新情報はすぐにもっとお話しできるでしょう。


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#チラ裏感想

 まずは毎度の、超訳怪訳でサーセン。今回もかなり怪しい部分が多々ありました。Chromeのページ翻訳でも多少は分かると思いますが、まぁ国内にほとんどStardock関連の記事を和訳する人もいないクソマイナーな世界なので、今後もぼちぼちと続けていきますわ。

 さてWoMコテンパンに言われて、涙目状態。しかし、WoMに対しての指摘とFEでの改善の方向などについては、異論はありません。以前からチラ裏的に指摘していた事柄は一致する所がとても多く、実際にFEで改善されて実施されていることは、うれしいことです。Stardockの企業理念、ゲームアイデアやコンセプトはいいのに、製作過程のプロセスやバグ回収ルール、機能>UI的な設計バランス、技術的なチャレンジが裏目に出てゲーム開発の足を引っ張るなど問題がありましたが、FEがヒットしStardockの成功体験となれば、今後のStardockのゲーム作りは変わっていくでしょう。

 デザイナー兼マネージャーKaelことDerrek Paxton、同じくデザイナーJon Shafer、ちょっと扱いが小さいが作家Dave Sternの加入は、Stardock ゲーム部門の弱点補強を的確に行っており、ゲームつくりにおける手順、優先順位を確立できるような成功体験をしてほしいです。そして、それを浸透させ、引継ぎ、今後のStardockのゲームソフトを真のメジャータイトルにしていってもらいたいです。
 そしてやはりStardockのCEO FrogboyことBrad Wardellの客観的なゲーム部門の分析、それと彼のカリスマがこのような優秀な人材を惹きつけたのかなと思いました。